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身近な人との会話を重視した共感型VR擬似体験が高齢者や入院患者にもたらす効果

2022-2025 | 科学研究費 基盤研究(B)

デジタルセラピューティクス(以下、DTx)の一環として、バーチャルリアリティ(以下、VR)での疑似的な外出が、患者や高齢者の精神症状の緩和や認知機能の改善に役立つことが明らかになりつつある。しかしながら、ゴーグル型装置のヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)による従来のVR疑似体験は、一人でしか体験することができず、他者とコミュニケーションが取れないという大きな課題がある。
そこで本研究では、VR疑似体験において、体験している空間を他者と共有し、コミュニケーション要素を取り入れたVR疑似体験共有視聴システムを独自に構築することで、DTxとしてのVR活用において新たな領域を拡張することを目的としている。具体的に、患者や高齢者など施設から気軽に外出できない人が、自宅の様子や思い出の詰まった場所に高精細なVR空間で疑似外出し、同じVR空間上で家族や身近な人の顔を見ながらコミュニケーションをとることのできるシステムを開発し、患者層や高齢者に最適化されたコンテンツの創出を行う。そして入院現場や高齢施設での活用とDTxとしての有用性や施設側におけるQOL(生活の質)の向上の評価を行う。

本研究の背景
2017年から「全周スクリーン」を用いた観光資源の活用や地域活性化につながる最適化された映像コンテンツの研究を開始している。直径7mの円筒状の全周スクリーンに360度の映像を投影することにより、複数人で感動を共有でき、その場にいるような臨場感や没入感の深いVR体験を可能とした。しかしながらこのような大掛かりな投影システムは、持ち運びに適しておらず、設置やコスト面での問題がある。そこで、病院等の施設でも同等のVR体験を可能とするために、持ち運びが可能なモバイル型高精細HMDのVR映像コンテンツの研究を開始した。

■VR疑似体験共有視聴システムのプロトタイプ開発
研究協力機関や研究協力者の協力を得て、長期入院患者や高齢者施設の入居者の協力のもと、それぞれのニーズに合った最適化された疑似体験VR映像コンテンツとプロトタイプを開発し、検証を行う。

■VR疑似体験共有視聴システムの改良及び評価
患者の身近な人が、遠隔地から参加して一緒にVR疑似体験を共有し、相互に楽しむことのできるシステムの構築を目指す。例えば、お祝い事などの家族行事をリアルタイムで遠隔地の家族が360度のVR映像配信を行い、高齢者や患者がVR疑似体験を共有しながらコミュニケーションを取ることも可能となる。

■VR映像コンテンツ制作過程

■VRコンテンツの実験様子

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