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「唐津くんち」の魅力発信のための映像コンテンツ制作

2025-2026

新たな唐津の歴史・文化・まちの拠点として、「新唐津市民会館(仮称)」が建設されます。そこで、唐津市から受託研究として依頼され、新唐津市民会館(仮称)くんちシアターで投影する映像コンテンツの企画・撮影・投影を実施するものです。また、このプロセスを通じて、唐津くんちの魅力的発信、及びシビックプライドの醸成の効果的な手法について研究を行うものです。

新唐津市民会館(仮称)イメージ(提供:新市民会館建設推進室)

■くんちシアターの展示ねらい
唐津くんち当日の盛況ぶりを、臨場感のある映像で紹介します。
実際に行きたいと思わせる迫力と臨場感ある映像で、会館にある曳山が祭りで提供する動き・熱気・迫力を表現し、こんなものが見られるならぜひ実際に行って見たいと思わせます。

■映像コンテンツ
唐津くんちは、佐賀県唐津市の唐津神社の秋季例大祭で、約370年前に起源を持ちます。豪華な漆塗りの巨大な曳山14台が、笛・太鼓の囃子とともに旧城下町を巡行する勇壮な祭りで、国の重要無形民俗文化財に指定されています。最大の見どころは、お旅所での曳き込み・曳き出しです。

巨大半円形スクリーンという非日常的な映像環境で実際の祭り当日の迫力を最大限に体験いただけるように、8Kカメラ3台を扇状にマウントしたカメラや11K解像度の360°全天周カメラを用いて撮影を行います。

映像コンテンツは、大学内のスタジオに巨大半円形スクリーン(11,660×3,000mm)を設置して、投影実験を行いながら完成度を高めます。

◎年間行事
・1月:新春囃子初め(安全祈願と曳山囃子の披露)
・4月29日:春季例大祭
・7月~9月:幕洗い(土用干し)(曳山の幕の手入れ)
・10月9日:初くんち奉告祭(くんちの始まりを告げる神事)
・11月2日:宵曳山(夜間に提灯を灯した曳山が巡行)
・11月3日:御旅所神幸(神輿と曳山が御旅所へ向かう、砂地への曳き込みが最大の見せ場)
・11月4日:町廻り(曳山が市内を巡行し、曳山展示場へ格納)
※くんち本番は11月2日・3日・4日。

◎高精細映像でアーカイブ化
唐津くんちのような無形民俗文化財を高精細映像でアーカイブ化する意味は、主に以下の3点に集約されます。特に、曳山のような巨大な漆の工芸品の質感や色彩、そして祭りの臨場感あふれる動きや音を正確に伝えるには、高精細映像が不可欠です。
① 永久的な記録と文化財の保全
祭りの臨場感や技術、曳山(ひきやま)の漆工芸品の細部、囃子の演奏、人々の熱気といった「現場の熱」と「詳細な情報」を、劣化の心配がない高精細デジタルデータとして未来永劫に記録・保存し、文化の消滅を防ぎます。
② 多角的な活用と教育・研究への貢献
高精細データは、教育現場での教材や、装飾・構造の研究資料として、細部の観察や分析を可能にします。現地の祭りに参加できない人々や、遠隔地の研究者にも、本質的な情報を共有できます。
③ 情報発信と観光振興
高品質な映像は、国内外へのプロモーションコンテンツとして強力なツールとなり、唐津くんちの魅力を正確かつ魅力的に発信し、観光客誘致や地域活性化に繋がります。

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